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魚は星を見る

趣味で漫画を連載してます。あとTRPGとか博物館の話。
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あおはる最終回【小説】

※エイプリルフール企画

頑張ってあおはる描こうとはしていたのですが、最後まで描き切ることができそうにないので
ここで最終回とさせていただくことにしました。
さらに。漫画で描くのが難しかったので小説です。最後がこんなですみません。
ちょっと長い?ので追記に置いておきます。
いきなり小説だとハードル高い気もしますが、よければ読んでくださいませ。

それでは、「青葉は揺るがない」終幕。


いつからだろうか。
彼がいるのが当たり前になっていた。
彼の存在が大きくなっていた。
もう二度と、大切な人など作らないと誓っていたのに。

――――――

「せっかく大学生活が始まったというのに、相も変わらずここへ来るんですね。」
「青葉さんに会えないのは俺の生活じゃありませんから。」
いつも通り皮肉を言う。冬芽くんはまったくひるまない。
それどころか笑顔で尋ねる。
「この前の返事、くれませんか。」
彼には先日、“正式に”交際を申し込まれた。
この男には不安という物がないのだろうか。
少なくとも一年以上前にはこんなふてぶてしさは無かった。
私が目線をそらすと、続けて言う。
「俺は、どこにも行きません。」
馬鹿なことを言う、と思った。
ふと視線を戻すと今までにないくらい真剣な表情でこちらを見ている。
よくもまあふざけもせずにそんなことが言えると、感心しそうになった。
「……そんなのは自分の意志でどうにかできることではありませんから。」
「いいえ。俺は死にませんよ。」
その微笑みを前に、抵抗することはもうできなかった。


私は友人や恋人を作ることに消極的だった。
幸い、優しい人たちに囲まれ、友人と呼べる人間は何人もいる。
だが、深い付き合いをする気はなかった。
それは幼少期の記憶に起因する。
私は、母が、父が、大好きだった。
恐らく今でも好きなのであろう。この年になってまで引きずっているのだから。
もう味わえないと思っていた母の手料理。
冬芽くんの料理は、それを思わせる味がした。泣きそうになった。
もう感触も忘れた父の大きな手。
冬芽くんのごつごつとした手は、父を思い出させた。不思議な感覚だった。
母と父は、結婚記念日の旅行に行ったきり、戻ってくることはなかった。
死んだ。
飛行機の墜落事故、だと聞いている。
慌ただしい大人たちと、無神経な言葉たち。
居場所のない、私と秋霖。
色んな家を転々とした。居心地が悪かった。

最後に迎えにきたのは雨月さん。
「あなたたちの家は、ここですよ。ここに居ていいんですよ。」
それは私たちの生家だった。
涙がとめどなく流れ、決して両親のことは忘れない、家を守ると心に誓った。
からっぽの胸に両親との思い出が残ったが、それがかえって苦しみを産むときもあった。
人は簡単に存在を失くす。
もう二度とあんな空虚な思いはしたくなかった。
私の家族は雨月さんと秋霖だけ。
それ以上はいらなかった。怖かった、不安だった、苦しかった。
誰も好きになってはいけない。
自分で自分にかけた呪縛だ。自分が傷つくのが嫌だから、人を傷つけても構わなかった。
だから、誰にも踏み込ませなかったのに。
彼はそんな頑なな私をまるごと受け入れた。
何度も好きだと言ってくれた。
好かれようと、私を喜ばせようと、努力をしてくれた。

私はひたむきな彼のことが好きだった。

“俺は死なない”そんな馬鹿げた約束、誰が信じるだろうか。
両親だって死にたくて死んだわけではないのだ。生きたかったはずだ。
でも、不思議とその馬鹿げた言葉が私の心の氷を溶かしたのか、
私たちはその日から恋人と呼ばれる関係になった。

―――――――――――――

二人で花見に行った。はじめてボーリングに行った。バッティングセンターに行った。一緒に星を見に行った。美術館に連れて行った。水族館に連れて行った。海へ行った。旅行に行った。お祭りにも行ったしクリスマスも過ごしたしバレンタインデーにはチョコを食べ合った。
彼と過ごす時間はすべて新鮮で、楽しかった。待ち遠しかった。幸せだった。たった数年のことなのに、私の人生のすべてとなった。

ある日のこと。二人で歩く日曜日。
なんてことのない日常。いつも通りの光景。
あんまりにも楽しかったから、忘れていた。
幸せを信じ切っていた。忘れるべきではなかった。

横断歩道を渡る私は、うっかり携帯電話を落としてしまった。
振り返りしゃがみ込みそれを手にする。壊れている様子はなかった。
車の激しい音が聞こえ、慌てて立ち上がる。慣れないヒールが足をよろめかせ、そのまま態勢を崩し手をつく。車の音は依然止まない。なんとか立ち上がろうとする。
視界に冬芽くんが飛び込んできた。私は、激しい衝撃と共に平衡感覚を失い後頭部を強打した。
音が聞こえなくなった私の世界に、一言だけ冬芽くんの声が聞こえた。
「良かった。」


気が付くとそこは病院で、ベッドに横たえられていた。
頭や腰がずきずきと痛む。
「お姉ちゃん。」
声でようやく気が付いた。ベッドの脇には呆然とした表情の秋霖と雨月さんがいた。
「目が覚めたんだね。」
ぽつりぽつりと、口を開いてはまた閉じる。
心ここに非ずといった状態だった。
私は秋霖の言葉には答えず、問いかけた。
「ねえ……冬芽くんは。」
張り詰めた空気が流れた。嫌な予感がした。
秋霖はただ俯くだけで目を合わせようとしてこない。
かわりに雨月さんが言葉を返す。
「……冬芽くんは、先ほど息を引き取りました。」
私はその事実を一切否定することなくのみこんだ。


罰だ。
両親のことを忘れた罰だ。
幸せになっていいはずがなかった。
そんな権利はなかった。
誓いを破ってはいけなかった。

なにが“良かった”の。

こんな命は、救われなくてよかったのに。

私は涙を流さなかった。
彼のために泣くことは、自分には許されてないのだから。



「青葉は揺るがない」完






もちろんエイプリルフールです。
2年前のエイプリルフールを見てくれた人なら知ってる展開だとは思いますが、
END2になります。タイトルは忘れた。
あおはるを漫画で描く前はこういう結末で考えていました。
ギャグ漫画は悲しい終わり方をしてはいけないと個人的に思っているので、
最終回は変えましたのでご安心くださいませ。

本当は去年のエイプリルフールにEND4だか6の「妥協」という最終回を描きたかったのですが、
描けなかったのでいっそEND2をしかも文章でやっちゃいました。
大変お見苦しい文章ですみません。(ギャグじゃない文章慣れてなくてキッツイ)
妥協の方もいつかかけたらいいなー(願望)と思っています。

よくわからんことにお付き合いいただき、ありがとうございました。
一月から色々あって、続きを描くのが難しいかもしれないのですが
必ず終わりまで描くつもりなので気長にお待ちください・・!
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【 2018/04/01 (Sun) 】 あおはる あおはるその他 | TB(-) | CM(2)
めっちゃいいはなしーってとこで
エイプリルフールっていうね。私の感動をカエシテ

【 2018/04/03 】 [ 編集 ]
>にゃんたろさん
言うほどいい話ですかね・・?
まあまあ、以前はそういう終わりだったわけですし
普通に感動しておいてください!
【 2018/04/04 】 [ 編集 ]
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